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今朝初めてウグイスの声を聞きました。まだまだへたくそでホーホケキョとはなりません。が、寒さの中に春の装いを見つけました。 さて今日、2月15日は涅槃会です。本来は旧に行うものです。 八十歳を超えた釈尊は生まれ故郷のカピラ城の方向に向かって布教の旅を続けておられました。14日鍛冶職、チュンダの家で昼食に出された、栴檀の茸で食中毒を起こしクシナガラの沙羅双樹の根元で永遠の覚りに達せられました。このことから涅槃会のことを常楽会といいます。 さて、常楽会はお釈迦様の遺徳を語って聞かせるため、先ず涅槃図を飾ります。それは生きとし生けるものがお釈迦様の遺徳をしたって泣いております。この図、我々佛教徒は当たり前ですが、西洋キリスト教社会では聖フランシスの小鳥の説法しか見あたりません。東洋の自然或いは宇宙と共生するという思想の現れでありましょう。 法会は語り物の原形である涅槃講式で代表される講式とそれを讃嘆する伽陀、和讃でけいせいされます。高野山では十四日の夜から徹夜で涅槃講、羅漢講、遺跡講、舎利講の四座講が行われます。 この講式は百年後、平曲(平家物語等)に影響をおよぼし、謡曲、浄瑠璃、浪花節、演歌という日本の歌謡の系譜になります。 我々結衆では午後方上町神光寺で行われます。当山は昨日より二百四十五年前の宝暦七年の涅槃図を荘厳して礼拝しております。
2002/02/15(金)
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